ネザートン症候群は、皮膚、毛髪、免疫系に影響を与える疾患です。 ネザートン症候群の新生児は、皮膚が赤く鱗状になり(魚鱗癬状紅皮症)、皮膚から体液が漏れることがあります。 また、コロジオン膜と呼ばれる透明な膜が皮膚を覆っている状態で生まれる赤ちゃんもいます。 この膜は通常、生後数週間のうちに剥がれ落ちます。 この疾患の新生児は、正常な皮膚による保護機能がないため、脱水症状を起こしたり、皮膚や全身に感染症(敗血症)を発症したりするリスクがあり、生命を脅かす可能性があります。 また、患児は期待される成長率や体重増加を達成できない場合があります(failure to thrive)。
乳児期以降、皮膚の異常の程度は個人差があり、時間の経過とともに変化することがあります。 特に生後数年間は、皮膚が赤く鱗状になり続けることがあります。 一部の患者では、断続的に赤みが生じたり、多発性環状病変を伴う線状魚鱗癬という特徴的な皮膚異常の発生を経験することがあります。 発症のきっかけは不明ですが、ストレスや感染症が関与している可能性が示唆されています。
痒みは患児にとって共通の問題で、掻くことによって頻繁に感染症にかかることがあります。 死んだ皮膚細胞は異常な速度で剥がれ落ち、しばしば外耳道に蓄積されるため、定期的に除去しないと聴力に影響を与える可能性があります。 皮膚はローションや軟膏などの物質を異常に吸収するため、一部の外用薬の血中濃度が過剰になる可能性があります。
ネザートン症候群の人の髪はもろく、切れやすくなっています。 また、毛髪の直径にばらつきがあり、太いところと細いところがあります。 この特徴は竹毛、結節性毛髪症、あるいは侵襲性毛髪症として知られています。 頭皮の毛だけでなく、睫毛や眉毛も侵されることがあります。
ネザートン症候群の人の多くは、食物アレルギー、花粉症、喘息、湿疹と呼ばれる炎症性皮膚疾患などの免疫系に関連した問題をもっています。