Maser, 主にマイクロ波領域の電磁波を発生・増幅する装置。 メーザーはレーザーと同じ原理で動作し、その特性も共通である。 最初のメーザーは、1953年にアメリカの物理学者チャールズ・H・タウンズらによって作られた。
メーザー発振器には、励起された原子や分子の源と、その放射を蓄積するための共振器が必要である。 誘導放出による増幅が吸収より優位になるように、励起はより多くの原子または分子を低エネルギー準位より高エネルギー準位に押し込まなければならない。 数ミリメートル以上の波長の場合、共振器は、その振動モードの1つだけが原子の発する周波数と一致するように寸法が選ばれた金属製の箱とすることができる。 このような共振器の損失は非常に小さくすることができるので、放射線を十分に蓄積し、連続する原子が励起されたときに、その原子から放射線を放出するようにすることができる。 このように、すべての原子は、蓄積された波を増大させるような方法で放射することを余儀なくされる。
最初のメーザーはアンモニア分子のビームを使い、金属棒でできた円筒形のかごの軸に沿って、正と負の電荷を持つ棒を交互に通過させるものであった。 ロッドからの不均一な電場が励起分子と非励起分子を選別し、励起分子を小さな穴から共振器へと集束させた。 出力は1マイクロワット(10-6ワット)にも満たないが、波長は主にアンモニア分子によって決まるので、数百年に1秒の誤差もない時計の制御にも使えるほど一定で再現性に優れている。 このメーザーは、マイクロ波増幅器としても利用できる。 メーザーアンプは、真空管やトランジスタを使ったものよりもはるかに静か、つまり増幅される信号にほとんどノイズを加えないという利点がある。 そのため、微弱な信号を利用することができる。 しかし、アンモニア・メイザーは非常に狭い帯域の周波数しか増幅できず、調整もできないため、固体ルビー・メイザーなどに取って代わられている
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