Abstract
Background: 特発性肺線維症(IFP)は、高い死亡率と高い疾病負担を伴う慢性進行性の線維性間質性肺疾患である。 経口チロシンキナーゼ阻害薬であるニンテダニブは,2つの無作為化プラセボ対照試験において,強制換気量(FVC)の年次減少を抑制することにより,疾患の進行を遅らせることが示されている。 しかし、実際の使用経験は限られている
方法 2015/02までIPF患者にニンテダニブを開始した。 肺機能パラメータ、有害事象、治療コンプライアンスを縦断的に評価した。 疾患進行はFVC≧10%,肺拡散能(DLCO)≧15%の低下と定義した。 ニンテダニブは平均年齢71歳,男性90%,元喫煙者69%,ベースラインのFVC70%,DLCO41%(予測値)の60例に投与が開始された。 心血管系の合併症は41%に認められた。 平均投与期間は11ヶ月(0-40)であった。 ニンテダニブ治療は 97%で継続され、進行または副作用により 2 例で中止された。 4例は副作用(下痢)による一時的な減量または中断が必要で、2例はニンテダニブを減量して継続する必要がありました。 投与中に急性増悪した症例が6例、観察期間中にIPFが原因で死亡した症例が4例ありました。 主な副作用は下痢(19%)で、治療開始5ヶ月後に急性肺塞栓症を発症した患者も1名いた。 また、46%の症例で抗凝固剤の併用が必要であったが、出血や心筋梗塞は認められなかった。 平均のFVC低下率は4.4%,DLCO低下率は1.2%であった<8079><4486>。 ニンテダニブは実生活において忍容性のある副作用を伴う有効な治療法であると思われるが、より長期の観察が必要である
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