ナイーブT細胞は、一般的にL-セレクチン(CD62L)とC-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)の表面発現、活性化マーカーCD25、CD44またはCD69の非発現、およびメモリーCD45ROアイソフォームの非発現によって特徴づけられる。 また、サブユニットであるIL-7受容体α、CD127、共通γ鎖、CD132からなる機能的なIL-7受容体を発現している。 ナイーブな状態のT細胞は、恒常的な生存機構に共通γ鎖サイトカインであるIL-7とIL-15を必要とすると考えられている。 ナイーブT細胞は、通常、発生が同期しており、T細胞受容体特異性が異なるだけのかなり均質で静止した細胞集団と考えられているが、実際にはナイーブT細胞は表現型、機能、動態、分化状態において不均質であり、結果として異なる特性を持つナイーブ細胞全体が存在しているという証拠が増えてきている。 例えば、ナイーブT細胞と同様の表面マーカーを発現する非ナイーブT細胞(Tscm、幹細胞メモリーT細胞、Tmp、ナイーブ表現型を持つメモリーT細胞)、ナイーブ表現型を失った抗原ナイーブT細胞、ナイーブT細胞表現型の中に組み込まれているが異なるT細胞サブセット(Treg、制御性T細胞、RTE、最近の胸腺移民)などがある。 ナイーブT細胞を評価する際には、このような違いを理解することが重要である。 ヒトのナイーブT細胞の大部分は、乳児の胸腺が大きく機能的である生後ごく早い時期に産生される。 加齢に伴う胸腺の退縮によるナイーブT細胞産生の減少は、生後早期に胸腺から移動してきたナイーブT細胞のいわゆる「末梢性増殖」あるいは「恒常性増殖」によって補われる。 この恒常的な増殖は、ナイーブT細胞の遺伝子発現に変化をもたらし、CD25表面タンパク質の発現を獲得することで明らかにされる
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